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尾瀬・燧ヶ岳・至仏山 縦走 1日目 からの続き
そんなワケで、2022年08月8日、夏の尾瀬登山の2日目です。
昨日は軽い下見のつもりで散策したら熊に遭遇するというハプニングがあったワケですが、
登山の本番はこの2日目なワケでして。
登るのは「燧ヶ岳」、標高2,356m、北海道を含めた東北地方以北で最高峰の山。
百名山のうちの一座で、尾瀬を代表する山の1つ。
今日は、ここを超えて、反対側の尾瀬ケ原方面へ抜けることが目的。
尾瀬ケ原に行くには山を超えないルートもあるんですが、せっかくなら百名山も登ってやっつけてやろう、ということで。
上の写真は尾瀬ケ原の方から撮ったもの。
ピークが5つあるんですが、そのうち3つのピークを乗り越えないと、反対側へは行けない道のり。
実は、事前にルートとあれやこれや考えてたんですが、
どのルートもしんどい感じで、中でも下山に使う見晴新道は、ぬかるみ地獄で、
それはもうどろどろになること請け合いらしいので、最初は回避しようと思ってたんですよな。
ただ、山小屋の予約の取れる日を調整していくと、どうしてもこの行程になってしまったというね。
お金と日にちに余裕があれば、同じ山小屋に2泊して、余計な荷物を山小屋において荷を軽くして登る、という手もあるんですが、
そこまでの余裕はなかったので5日分の荷物を全部担いでのチャレンジ。
テント泊ならお金は節約できるけど、いまから思うと、5日間全部、夜間猛烈な雷雨だったので、
その選択はしなくて正解だったなと。土砂降りの雨の中でテントで寝るとか俺には耐えられそうにない。
早朝5時起床。
朝ごはんが6時からなので、軽く体操して散歩。
今日登る燧ヶ岳が綺麗に見えましたが…遠いなあ!(笑
おっさんなので朝、そこまで食欲がないワケですが、無理矢理詰め込む。
食っておかないと力出ないですしな。今日は登って降りるまでトイレもないので、
しっかりトイレも済ませてから出発。
昨日確認しら長英新道の入り口からスタート、幸い、熊には出くわさず。
出だしからしばらくは木道が続きますが、この木道も古くなって苔でぬるぬるなので、注意深く進む感じになりますな。
木道が終わるとぬかるんだ泥道と、急な上り坂の連続に。
まあそれでも思ったほどでもなく、これならいけるなという感じだったんですが…
この日は気温も高いのに加えてほぼ無風で暑いのなんの!
標高が高いので猛暑ってところまではいかないですけど前日の雨のせいで、
湿度が高くてとてもしんどい…しかも休憩しようとするとアブが寄ってきて、
落ち着いて息を整えることもできず、ハァハァぜえぜえしながら登るハメに。
森林香を持ってくるべきだったと、今更ながらに思うも後の祭り。
長英新道にには一定の距離ごとに何合目という表示が出てるんですが、
頂上が何合目なのか特に標識がないので目安にはまったくならなかった…
見かけたのは9合目が最後なので、頂上はたぶん10合目になるかと思います。
そこそこ登山道のは整備されてるので比較的歩きやすいんですが、
こういう階段の手前がえぐれちゃって一段目にどうやって足かければいいんじゃーいってなるのあるあるですよね。
7合目を過ぎたところで視界が開けて少し進むと、ミノブチ岳という1つ目のピークに。
標識がないんですが、落ちてる石にミノブチ岳って書いてあります。雑すぎるやろ!(笑
眼下に昨日回った尾瀬沼が一望できるのでなかなかの眺め。
頂上までもう一息ですが、ここで小休止、振り返ると2つのピークが見えますが、
うん…まだ結構あるな…
ミノブチ岳から2つ目のピークである俎ー(まないたぐら)まではおよそ30分。
森林限界を超えたのか生えてる木も背の低いものばっかりで日差しが直撃。
ゆっくり歩みを進めて、俎ーに到着!
登ってる途中で行きあった人は数人だったんですが、いろんなルートから登れるので、
頂上には結構な人が。運良く雲が晴れて周りの景色がよく見えたんですが、
尾瀬の山は雲がかかりやすいので、何も見えないことも多いんだとか。
あんだけキツい道登ってきて、途中ほぼ展望ないに、そんなオチだったらしんどいなあ…ほんとに運が良かった。
なんとか座るスペースを見つけてコーヒーを沸かして行動食として持ってきたチョコようかんとカロリーバーでエネルギー補給。
ここから下山、ではなくまずは隣のピーク、柴安ー(しばやすぐら)を目指さないといけないわけでして。
俎ーから柴安ーを望む展望は、よく燧ヶ岳の写真で見るヤツですけど、ぐっとくる景色ですよな。
ただ、見えてる通り、1回降りて登り返さないといけないんだよ!クソが!
30分かけて降りて登ってついた柴安ーが、燧ヶ岳の最高点。
ここに燧ヶ岳の標識があります。ただ、ようやくついたと思ったら一気に雲に覆われて雨がポツポツと。
まあ、もともと柴安ーからの展望はあまりよくないらしいので、そそくさと通過して下山を開始。
少し下ったところに文字が読めない標識があるんですが、ここから尾瀬ケ原が一望できてなかなかの眺め。
明日は、あの尾瀬ケ原を横断する予定。
で、下山道に入るワケですが、ここからが本当の地獄だ。
地図には、熟練者向けって書かれてる見晴新道を行くワケですが、最初が岩場、
次にぬかるみだからけの急坂と、それがえんえん3時間続くというね…
転倒しないように、トレッキングポールでバランスとりつつ、
足をつく場所が怪しい場合は、お尻ついて慎重にといった感じで、ヒィヒィいいながら、
中間地点の5合目まできたワケですが、雷鳴と共に本格的な雨に。マジか。
あっという間にもともとぐちゃぐちゃだった道が小川のような状態に。
スパッツを装着してても、限度があるだろって感じで泥だらけに。
壊れた階段を避けて足をついたらズルっとすべて尻もついたりで最悪すぎる…
コースタイムから1時間遅れでぬかるみゾーンを抜けて、木道が見えた時は、
嬉しさで叫び出しそうでしたよ…そのくらいしんどかった。
というかぬかるみゾーン抜けたら雨も止むし!どういうことだよ!?
見晴エリアについた時にはこの天気だよ!
見晴エリアにはオシャレで設備の整った山小屋が集中してまして、
とりあえず水を補給しようと思って立ち寄ったんですが「氷」ののれんに惹かれまして、
山小屋でかき氷食えるの!?ってなって思わす注文してましたよ。ええ。
水をほぼ使い切って喉カラカラだったので、ほんとに染みる冷たさにマジ生き返った心地でした。
尾瀬小屋ではステーキ丼なんか食べられるんですが、
やはり夕食に時間が近くなりすぎたので断念。若ければいけたかもしれんですが。
見晴から歩くこと30分ちょいで今日の宿、温泉小屋に到着。
その名の通り、温泉に入れる山小屋。今回の主な目的の1つでもあります。
よく写真が掲載されてるテラスのカフェは残念ながら休業中。
ここで景色を眺めながらお茶するのも計画のうちだったので残念。
泊まったのは別館の方のお部屋で、グループで一部屋という部屋割りなので、
俺は一人で一部屋占領して贅沢してました。
温泉はちょっと赤みがかった濁り湯。
源泉の温度が低いので沸かしてるため、入浴できる時間が限られてるのが残念。
まあ、本沢温泉みたいな24時間入浴自由ってとこのが珍しいか。
汚れたザックや服を鉱泉の水で洗って干したりしてるとあっという間に食事の時間に。
夕ご飯はコロッケカレー、食べてそうそうに寝るつもりだったんですが、
ものすごく疲れてるのに今日もなかなか寝付けず。
尾瀬・燧ヶ岳・至仏山 縦走 3日目の日記に続く。
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